他山の石

菅首相、場当たり発言は保身の煙幕 

@報道各社の世論調査で菅内閣と民主党の支持率が過去最低へ急落した。「上から目線」の大臣指名、原発のストレステストをめぐる混乱が支持率急落に拍車をかけたのだが、当の菅首相は意気軒高を装っている。産経新聞の記事で前首相の鳩山由紀夫さんが、菅さんの手の内を明かしている。副総理だった菅さんは当時首相の鳩山さんに「厳しい局面に立たされたら別の大きなテーマを示せば、そっちに国民の目が向いて局面を打開できる」とたびたび進言してきた。

@普天間飛行場の移設問題で窮地にあった際も、「消費税増税を言え」と何度も働きかけてきたという。「菅さんは思いつきのようにすうっと別の話を作るのが上手だ」というのだ。なるほどそういう生理的体質で急場をしのいできたかと思うと何やら納得する。内閣不信任案可決の流れを一朝にして逆転させたのも「退陣発言」であったし、浜岡原発を止め、また唐突にストレステストを思いついたのも自らの延命のための点数稼ぎなのだろう。

@だが、その言葉に実はない。例えば「辞めるとは言っていない」と涼しい顔である。浜岡原発だけを止めた合理的理由も分からず、ストレステストに至ってもだしぬけだった。発言によって配下の経産大臣の面目がつぶれようともお構いはない。ストレステストも新たな「つじつま合わせ」に過ぎないと想像に難くないが、こんなことでまたまた政治空白が続くのである。

@衆院予算委だったか、何でも反対する野党は恥を知らないーといった内容の発言を菅さんがやっていたのには驚かされた。もはや開いた口が塞がらない。あの鳩山さんでさえ「菅さんは常に大きな本道を見ようとしない。政治はパフォーマンスではない」と揶揄(やゆ)している。リーダー失格を自覚しない首相のもと、このままだと日本が沈みはしないかと心配は募る。離縁状を突き付ける大臣さえいない腰抜け内閣だ。一刻も早い解散・総選挙を願うばかりである。(7月12日 編集委員 立花 慶三)

ドナー不足解消へ 修復腎移植の推進を

@臓器売買の臓器移植法違反容疑で逮捕された東京の開業医(55)。容疑ばかりか暴力団を介した、医者の立場を利用した--などと悪しざまに言われるが、彼を頭ごなしに非難する気にはなれない。なりふり構わぬその所業こそ、腎不全患者らの苦しい心の深淵をある意味で雄弁に語っていると思うから

@ある腎不全患者は言う。「『命をつなぎたい』なんて耳触りのいい言葉はまどろっこしい。欲しいんだ、命が」。機械に通して血液から毒素を取り除く透析治療は医療費もかさむ。しかも根本治療ではなく余命を刻むばかりだ。透析患者は全国で約30万人いるが、移植手術を待つ患者は12140人。昨年7月の改正臓器移植法施行後もドナーはさほど増えず、同年中の死体腎移植でさえ200件程度にとどまった

@移植のために昨年、中国やフィリピンで腎移植を受けた日本人は国が把握しているだけで198人。実数でいけば国内で行われた死体腎移植数を大きく上回る、とさえ言われる。ある男性は約270万円を出して中国で移植を受けた。紹介業者の胡散臭さ、不明朗なドナーの提供腎であっても「命」に背には代えられない--と言う

@開業医が手術を受けた宇和島徳洲会病院がドナーとの養子縁組偽装を看破できなかったことの不明が問われている。国のガイドラインに基づく親族確認は病院で異なり戸籍抄本だったり、健康保険証で済む大病院もある。判断を下す病院内の倫理委員会のさじ加減もそれぞれに温度差が出よう。「救命」を優先する病院に偽装究明を求めることに限界がありはしないか

@腎不全患者らの命への渇望と、そこにじわり寄り添う暗い影。制度的欠陥を埋めてもなお犯罪の根を断つことは難しいだろう。だが、移植医療にブレーキをかけてはいけない。絶対的なドナー不足のなか、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが進めてきた修復腎移植が認知されれば生体腎、死体腎さえしのぐ第3の移植医療として腎不全患者らにこれ以上の朗報はな
い。(7月3日 編集委員 立花慶三
  


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他山の石 への1件のコメント

  1. テツロウ より:

    立花慶三さんから聞き初めて拝見しました。
    立花さんには産経の松山支局長の折、大変お世話になりました。産経時代から人脈の広さは凄いと思ってましたし、紙面の文章力にひきつけられてました。褒めすぎかも知れませんが、立花さんが産経を去ってから今の産経の愛媛、地方版はサッパリで読む気がしませんでした。産経を辞められてから、またいつかその謦咳に接する機会があればと心の片隅で思ってました。そんなおり、こういことを始められ嬉しく思います。今後大いに期待しています。身体充分にご留意されて下さい。

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